情報探索の入口は分かりやすいビジュアルな抽象化モデル(絵)である必要がある。その絵は実際の具体的なものであるが、そのものが何かを知ることが目的ではなく、その絵から自分が探したいことの分野を区別することが目的である。絵が増えたら見つけにくいので上位概念的なまとめた絵を登録する事が重要である。
例えば、子供向け図鑑の目次の絵のような大分類がよいだろう。この大分類は、個人のメモを記録するならば、自分が関心のある分野を自分が想像できる絵ならなんでも良い。要は、自分が間違えることなく、その内容を管理できれば良いのである。これは容易なことである。
一方、仕事のためのメモを記録するには、仕事がどのような分野であるかが分かる絵を入口に配置する必要がある。企業の中で共有するのであるから、誰でもその絵を見て、中にどのような情報が記録されているかが分かる必要がある。より分かり安く間違えないために、テキストで文言を絵の中に記入しても良い。
例えば、製品を開発して販売する企業であれば、設計、製造、販売などのイメージがつく絵が良いだろう。設計でも複数のカテゴリの製品を設計する企業ならば、カテゴリA、カテゴリB、カテゴリCの区別のつく絵でも良い。製造が複数の地域にある場合は工場a、工場bなどの絵で良い。変化の可能性のある組織の名称を用いずに、一般的な呼び方である組織名称を用いることが必要である。工場名称などは滅多に変更しないだろうし、県の形のイメージに工場がある絵を用いれば、誰でも区別つくであろう。
企業の中のある組織の企業人のメモは、やはり自分の担当分野を明示できる絵を情報探索の入口にする。この絵も誰が見ても内容が想像できるものであることが必要だ。非常口のサインのようにものを想像すると良い。
このように入口を表す明確な絵を取り決めて用いることが情報蓄積の第一歩である。情報は粒度も分野も異なるもので、それにもれなく分類を決めようとすると逆に分類からはみ出す情報が出てきてしまう。私達のホルダー名称の不思議な命名は、変化する分類と仕事の内容によっては複雑化されたことを表している。そこまでの分類を決めるのは統一的で遵守できる範囲を超えてしまうので、全号で説明したように失敗してしまうのである。
では、大分類の中にどんな絵を配置するのかと言えば、それは、その組織における最終アウトプット文書のイメージ図を用いるのが良い。設計の最終アウトプットイメージ図は部品表と製品の設計図と日程表である。それ以外にあるものは最終アウトプットを作成するための、文書である。部品表と設計図と日程表の3つの絵にメモを記述するのである。それぞれの絵には、気がついた時に複数のテーマの特徴点を追加していくのである。既にテーマが登録されているならば、その点に更に追記するだけである。テキストと参照文書を添付するだけなのでシンプルである。
製造側は、何をどの様なプロセスや日程で行うべきかを書いた標準日程表、生産ラインの全体図、製品の全体構成図などが検索の入口モデルにすると良い。その中に業務日程詳細図、加工プロセスの詳細図、部品図などをモデル登録する。全体図にも詳細図のどのモデルにも特徴点登録できる。詳細図の中にも特徴点登録できる。それぞれの特徴点には参照モデル登録できる。モデル登録したモデルは他のモデルのどこにでも親子関係を定義できる。このようにすることで、製品構造と工程と生産計画を関係づけて記録することができるようになる。
ここで登録する情報は技術的思考を記録することであり、関係者の意見を記録することである。また、その文言を全文検索対象にする事で、改めてタグを付与せずに、もれなく検索できるようにすることにある。
モデルの親子関係は詳細を図で説明する時に必要であり、参照図はより横断的な知識共有により決定合意の速度を高めることにある。
親子関係を後で付加できることは、思いついた時に追加できる自由さのためである。誰でも完全なる網羅的登録を最初からできるのではないから。
モデル図を的確にたどり、必要なモデルを見つける方法は、モデルのネットワーク図の見せ方が重要である。言葉を知らない場合のビジュアルな図の探索発見方法と対象の検索言葉を知っている場合のなどの全文検索が重要である。 絵の中に特徴点を記述することは、技術情報が必ずその絵の中にあることを意味していることを保証している。絵に特徴点を登録しなければ会話が登録できないようにできている。
つまり絵と会話は分離されることがない。
絵を見つければ技術情報を見つけることができる。また、言葉を知っていれば、見たこともない技術情報を絵を指し示して理解することができる。
このよう情報を知る目次的な機能としても役に立ち、真の図面などは、この後ろに続いて他の固有システムを操作して知ることができる。
一方親子関係の中あるいはそれを超えた関係の中で付与された特徴点はどのように振る舞う必要があるのか?
親の会話テーマが子供の会話テーマと親子の関係テーマであるかは難しい。
1つの目的の為に、複数のテーマを検討する場合には、関係を定義できる。親のテーマがいつ子供のモデルのテーマがその親子関係として認識されるかはわからない。親のテーマがいつまで親のテーマでありつづけるかは確かではない、その時の親のテーマにしただけのことである。このような方法で、日常的なメモを後で検索しやすくすることができるのである。