QCMSとは
QCMS(クオリティチェーンマネジメントシステム)という言葉がある。SCM(サプライチェーンマネジメント)とは異なり、仕入れから最終組立メーカーへの部品の流れの中で、守られるべき品質の繋がりを統制することです。これは社内の工程間でのクオリティチェーンに取り組んでいないければ、外部にまでクオリティチェーンをつなぎにいくのは難しい。自工程完結の運営の中で、前工程に守ってもらいたいことと、後工程に守ることを約束したことが共に明確になってくることである。
実際には、前後工程は品質管理業務を怠っていることはないと思う。しかし、気がつかなかった管理点が製品の市場品質問題になることが時々あるものだ。人の意識によって行われる業務には、どうしてもミスがある。そこで、気がついていない、見えていない問題点が本当にゼロなのだろうか?との姿勢で、ものづくりを素直に観察することが必要になるのである。結局は、この意識や姿勢の差が製品や企業の信頼感として表れてくるものだ。
人の仕事のミスを未然防止するプラットフォームが必要だ
品質とコストのバランスをどのレベルにおくのかは、特に人手による作業工程に差が表れている。機械化された加工は、その機械の性能が数値化され、購入価格として一度の判断で決定され導入し、以降は機械がその精度を維持してくれる。しかし、人手の場合は全く違う。どうしてもミスがある。或いは、起こるはずである。生産ラインのコンサルをしていると現場の職制がミスをした作業者を叱る場面に出くわすことがある。そのような場面を見ると、この会社は本質的に人の作業管理ができていないと思うのである。その作業者がなぜミスをしたのかを突き詰めて考え、その原因を対策しなければならない。
人の仕事は作業だけではなく計画業務にても同じくミスが発生する。ミスを起こした原因を再発防止できる仕組み化を構築する必要がある。ミスをした個人の指導だけで再発防止はできないないはずだ。このようなことから、仕事の成果が製品である企業は、仕事の繋がりの中での、仕事の品質を正しくする必要がある。仕事を正しく行うには、繋ぐために人を介在させない事だ。ミスではなく、恣意的におかしか事をするのも人間である。最近の取引関係の自由性を考えれば、常にお互いが正しく仕事を行うことを担保するプラットフォームが必要だと考えている。
サプライチェーン品質管理ができるのはCKWEB2だけ
このプラットフォームには、品質規格をクラウド上で共有できるckweb2 が役に立つ。例えばセットメーカが管理する1つの品質規格は、それを実現する為には、複数の内製工程の部品の品質規格や仕入れ先の部品の品質規格が関係してくる。また、それぞれの品質規格は更に複数の仕入れ先の品質規格と関係する。このような網の目のような関係性を、1つの企業だけで文書に整理完成させる事はできない。知らないところで3、4次の仕入れ先が変更となっているかも知れない。しかし、1つの企業が、自工程完結を守り、前後工程との品質規格を守る努力を維持するならば、前後工程の企業は、また、その前後工程との品質規格を守ろうとするはずである。意識の高い企業はつながっていくはずである。
私達は、社会活動の中で、きっとこのようなQCMSは維持されていると期待して思っている。しかし、本当に、維持できているかを知る方法はない。安全や基本機能の担保には絶対に守らなければならない品質規格がある。これは常にウォッチできなければならない。自動車の自動運転を実現するにも、航空機を設計製造するにも、ロボット、電車を製造するにも特に自動化された製品の品質保証には、IT技術によって運営されるQCMSが必要だと考えている。