デザイン性や部品の構造などの現物写真の蓄積
写真の整理方法は大変重要だと思う。見た時をそのまま、記録するからである。動画も同じく重要である。月日が流れると撮影した時とは様子が変化している。欲しい写真を一発で見つけることができなければならない。写真を撮影した時に感じたことがあるから、その風景や対象を選んだはずである。しかし、私達は写真という絵だけしか、その時に記録していない。これが問題である。
撮影者が思い感じたことを明確に記録することは、後の考えの整理に役立つ。そこで写真についても、そのイメージ図に対し、どこが良かったのかなどを特徴点を書き込んで、感じたことを記録する。それは、撮影以後、どのタイミングでも、改めての感想も含めて、1枚の写真になるべくたくさん特徴点を登録する。
写真には、山や川、森、草花、人、動物、乗り物、雲もあれば、家の中にある家具、照明、インテリアなどもある。一度、旅行に出かけるといろいろな対象を写真で撮影することになる。例えば、10年間、暇を見つけてカメラを持って出歩いたとすると、撮影した写真をグループ分けして整理したくなる。時間軸だけで分類されるのでは知的好奇心が収まらない。自分の思いや感動などで、グループ分けすると、自分の本当の興味に気付けるかも知れない。
気づきの記録は写真と一体化した特徴点記述法が優れている
また、ある写真の特徴点と他の特徴点との関係に親子関係や参照関係が見つかるかも知れない。かつて南方熊楠先生の研究はこのような地道の整理の上になし得た研究成果であった。今日のIT技術は、曖昧な推定だけで行うことだけでは不安があり、もっと確定的情報が必要であり、人の知識を少しだけでもイメージ図に加えておくだけで、新しい検索方法を開発できるのである。使う人の意図に合わせた検索結果が必要なのであり、それによってファイルサーバに眠ったダークデータを掘り起こして、新しい着眼点が発見できるようになる。もの書きをするクリエイタには最良な方式である。
また、ものを対象として撮影した場合、そのものからの気づきには、周囲にあるものや人など写っている絵とその位置関係から受け取るものもある。したがって、時刻の経過、年月の経過により、撮影した対象の変化もあるが、周囲の変化もあるものである。写真は対象のものを周囲のものや人の数や位置関係やその他の状況の組合せの結果として構成されており、その結果としての考えや気づきや感動などを作り出していることも多いのである。
写真が工場内、店舗内、倉庫などの場合には、生産管理上の有益なデータとなる。それは、その写真に写っている物が、同時刻に同じ場所に存在したことを示していることになる。写真の中に何があるかが分かれば、それらが計画に対して、正しいのかどうかを判断できるようになる。
製品の検査工程での活用方法
また、製品の検査は、まだまだ人による目視であることが多いが、検査にて写真を撮ることを併用すると、人の判断と写真の比較により、判断のミスが起こりやすい事例を蓄積できる。その対策により検査の信頼性を向上させることにもつながるはずだ。特徴点として事前に、確認すべきポイントをスマートグラスなどで、視野内に情報と目の前の物を重ねて見ることで、人の判断を支援するシステムも作ることができる。目で捉えた対象が人の思考の出発点であり、見た対象と考えたことを一体で蓄積することが既存の文書などのファイルを活用する方法であると考えている。