新コロナの感染者が三度増加してきている。このような山を何回も越えなければいけないのか、ワクチンが効いて数年で収まってくるのか検討もつかない。少なくとも、来年も同じ危機意識で生活をしないといけないことは間違いの無いことだろう。
人の往来が減れば、感染者は減っていくということは事実であるだろう。人が往来しなくても仕事ができるようになったら、それは、どの程度まで感染者が減るかは推定できてもおかしくないだろうが、感染者の増加予測ばかりしかし世の中には公開されていないのだろうか。
テレワークができなくて、職場で働いていだだけないと、社会インフラが止まってしまう職業に従事している方は移動が必要だろうと思う。ならば、それ以外の職種の方は、何パーセントになるのだろうか。その人達が、しっかりとテレワークに取り組むことも、立派な社会貢献であると思う。このままでは感染者が増えるとの言い方だけではなく、このようにすると、感染者はこれだけ減るとの複数のアイデアと効果を説明してくれれば、もっと行動変容に対する皆の意識は高まると思う。
テレワークができない理由は何だろうか。特別に顔を見なくても電話やメールで相談もできるだろうと思う。資料が会社にあることが問題なら、クラウドに置けば良い。そのコストが負担ということなら、公的に負担をすれば良い。テレワークが可能であるはずの職種なのに、テレワークができない理由は何をはっきりさせ、その課題を解決することを行う政策が見えない。企業に任せすぎているように思える。企業は企業や個人と結びついて生業ができているのであるから、一つの企業だけではテレワークができない課題を解決できないはずである。
日本はITの活用が下手だとか、労働生産性が低いと思っているのであるから、このような動機がある時にテレワークにより生産性向上を図るべきだと思う。ハンコの押印だけがテレワークのブレーキとは思えない。もっと、見直すべき古い風習や文化が隠れている。私の知っている企業では、今でも決裁書類に20人位の押印を行なっている企業がある。ここまで押印すると、それぞれの責任はより小さな範囲となり、個人能力は成長しなくなる。大きな責任を持たせて経験させることが成長につながるはずである。失敗を恐れて、その責任を負わない風土には、このような事例が見られる。
もう一つは、企業自ら、ユーザー自らシステム要件書が作成できないのではないか。私はものづくりのコンサルとITコンサルの両方を行なっているのでよく分かっている。いつの間にか、ものづくり企業はシステム要件を外部依存してきてしまった。まずは提案を持ってきて欲しいという話が多い。企業は自ら何をやりたいのか、それはどのようにしてできると考えているのかを文書にするべきだと思う。
外部依存を始めると、それを受けるベンダーが増えてくる。考えないエンジニアが増えてくるだけで、企業に人は育たない。テレワークを進めたいが、実務が企業内でどのように回っているのかの文書すらない。そうであるならば、まずは、自部署を中心にして、前後工程(組織)とのインプットとアウトプットを整理することを進める。その時に自部署の役割や価値を良く考え直すことが必要と思う。以前にも述べたが、業務が単純化の方向で行われているかを自問自答することは、どんな環境下においても重要なことだと考えている。