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木曜メールマガジン
”原理からのDX”を語る
1、改善はなぜ必要なのか。
2、改善ネタの発見の思考方法
3、なぜなぜが必要なケース
4、改善が上手く進まない理由
5、基礎的社員教育のあり方
6、改革へ向かう人材開発とは
改善はトヨタ自動車の業務手法として世界中にその言葉が広がりました。
製造業では改善が必須です。皆さんは必須という意識はありますが?
では、その必要性について解説します。
問題が発生したので改善を行うという考えは原理的ではありません。
改善の必要のない完全な計画・設計をやれば良いのです。これを完全なデザインと定義します。
そもそも、これができないので、問題解決型の業務が染み付いているのです
まず、できない理由を3つ説明します。
①製造業では、製品の需要が変動します。
それに対し、工場には投資した設備や固定費である作業者が雇われています。
単純に考えると、需要が小さくなったら、作業者は少なくて良いし、設備は停止させ稼働時間を減らす必要があります。
しかし、作業者を解雇するわけにはいきません。忙しい部署への配置転換や他の仕事をやってもらう必要があります。
そうは言っても3割ダウンの生産量に対して3割減の作業者ですぐに運営できるわけではありません。
理想的な目標に対して実行できることには差があるものです。
作業者も組立、運搬、検査、手直しなど多くの仕事があり、それぞれがどの位作業者を減らすべきかを計算しなければいけません。
ここに一人工という単位が効いてきます。一人の人の3割の作業時間だけ減らすことができても、残りの7割は働かないといけないのです。
この場合、7割の時間でどのような作業をしてもらうかを計画しなければいけなくなります。
②また新製品の生産が行われるます。
製品の設計も新しく、そして、生産工程も新しくなります。この場合、どんな問題も発生しない完全なデザイン(例えば、設計や工程設計ができれば良いのですが、そこまでの完成度の高い設計は難しいのです。
このような場合には製品設計も変更する必要が出たり、生産工程を変更する必要もあります。この様な変更はすでに生産中の製品も問題なく生産できる必要があります。
③もっと広く解説すれば、人の仕事には必ず失敗やミスがあるものです。
そして、ITが進歩した今日でも、コンピュータで行える計画の完全性はそれほど進歩していないということです。
ですから、しばらくは人が考えることをベースに製造業の仕事は進める必要があり、そこにはより良くするための改善が必要になるということです。
理論的な目標値が不明確であり、より良くなる活動としての改善が必要です。
現場に改善班を組織化するだけでは、解決できないことであり、
改善は決して生産現場だけの仕事ではないという事を繰り返し述べておきたいと思います。
最後まで購読いただきましてありがとうございます。
次週は改善ネタの発見の思考方法についてお話しします。
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