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木曜メールマガジン
”原理からのDX”を語る
1、改善はなぜ必要なのか。
2、改善ネタの発見の思考方法
3、なぜなぜが必要なケース
4、改善が上手く進まない理由
5、基礎的社員教育のあり方
6、改革へ向かう人材開発とは
改善はトヨタ自動車の生産現場の生産性を向上する手法として世界中にその言葉が広がりました。
企業からのご相談では、改善点をどのように見つければ良いのかというものが多くあります
例えば、7つの無駄と教えられます。
トヨタでは加工、在庫、造りすぎ、手待ち、動作、運搬、不良・手直しの視点からムダを定義しています
これらは、問題が顕在化した状態です。問題が顕在化する前に手を打つ必要があります。
1、改善できる環境の整備
①生産現場の実態を全体として捉える(ハードの整備)
・工程間バッファをミニマムにする
・生産ラインの運転停止を自動で把握し、現場を調査する
・不良のハネだし場をウォッチする、発生要因を調査する
・作業遅れをウォッチする、その要因を調査する
・設備故障停止を自動で把握する、その要因を調査する
・品質検査情報をリアルタイムに把握し、現場・現物を調査する
②現場の運営ルールを文書化する(ソフトの整備)
・作業手順書、作業要領書を整備する
・設備、工具などの取り扱いも文書化する
・異常発生時の伝達ルートや内容を規定する
・問題解決の管理とフォロー責任者と流れを規定する
・運営規定に沿って行われているかを定期的にチェックする
2、改善ネタの発見
①改善がなぜ必要かを頭に浮かべて、現場を観察するーー観察
(1)市場の需要は変動している(生産計画は正しいか?)
→加工、在庫、造りすぎの無駄を発生させていると推察して現場のものを観察し、多すぎないかとの仮説を立てる
(2)新製品の投入時に無駄なことが行われる(とりあえずがいつの間にかルールに)
→不良・手直しの無駄を発生させるはずだと推察し、出荷場所、工程から離れた置き場、手無し場所をチェックする。
本来は、これらの場所にものがあっては異常なので、なぜゼロになっていないのかを問題視する。
(3)現場の作業者が入れ替わっている(人によりばらつきがある。安全も品質も時間も)
→手待ち、動作、運搬、不良・手直しの無駄を発生させるはずだと考えて観察する。作業を行っているか?無駄な動作はないか?
なぜ運んでいるのだろう?など、必ず問題はあるものとして現場作業を観察する。
②前後左右(仕入先など)の工程を見渡して、観察したことと関係する業務や作業をリストアップするーー情報収集
・観察した結果、見つけた問題に関係している工程や、さらにその前工程を想像し、思い出して、そこでの仕事をリストアップする。想像できなければ、周囲に質問し、自分の足と目で現地現物確認する。
・関係がありそうなことと無関係な事を明記する
・外部の仕入先を確認することも行う。
③集めた情報の関係の整理ーーグループ分けと関係整理
・親子関係
一つの部品に加工が複数ある場合、それらがいくつかのグループとして区分されて扱われるべきであるか、
単なる一つの部品の加工のグループであるかなどを明確にする
・前後関係
複数の加工の優先順序を確認する。加工の優先順序は加工基準の取り方から決まることもあり、品質上の規格に影響する。
また、組付け順序は生産工程の生産性にも影響し、後工程の作業難易度に関心を持つ事を醸成することになる。
・因果関係
問題の発生要因を考えていく上で、必ず必要となる生産の知識です。発生した問題が、前後左右のどの工程のどのような加工や作業に依存しているのかを知っている必要があります。これを探求することで、初めて、問題が解決できるので、この探求を常に怠らないようにするとともに、製造現場で共有されている必要があります。
④集めた情報から取組の優先度を考える
・7つの無駄の中で、安全の次に重要なことは品質です。集めた問題から一番重要だと考える品質問題を決める。
・次に決めた品質問題を前後左右の工程を因果関係をもとにツリー図を作成する。
・そのツリー図を前後関係でネットワーク図を作成し、関係工程をビジュアルに説明する
・そのネットワーク図から強い要因となる可能性のある工程の流れを決める
以上により、改善の対象であるネタを特定することができます。
単に改善点を思いつきで決めるのではなく、あらかじめ、部品構造と加工の内容と守るべき品質と工程フローを知った上で、
ここが問題点だと周囲の関係者へ説明と説得のできるストーリーを準備してから、改善活動に入っていきます。これが知識継承です。
ただ、創意工夫による道具やジグの制作だけが改善ではあります。
あくまでも、生産のプロセスから問題点を発見し対策することが必要です。
最後まで購読いただきましてありがとうございます。
次週はなぜなぜが必要なケースについてお話しします。
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