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【製造業の改善と革新の会】

木曜メールマガジン

”原理からのDX”を語る

元トヨタ業務改革室長

#003

10月のテーマ
【改善の必要性】

今では、製造業だけではなくあらゆる仕事の中で用いられるKAIZEN 改善の基本的な価値についてです。

今後の配信予定

1、改善はなぜ必要なのか。

2、改善ネタの発見の思考方法

3、なぜなぜが必要なケース

4、改善が上手く進まない理由

5、基礎的社員教育のあり方

6、改革へ向かう人材開発とは

【なぜなぜが必要なケース】

改善には問題の認識が必要です。そして問題は関係者において本当に解決すべきこととして共有される必要があります。

続いて、その問題を起こしている要因を考えていく時に、いわゆるなぜなぜが必要となります。

このなぜなぜを考える時につまづくことが起こります。

このつまづきについて解説していきます

1、なぜなぜは特定の問題を解決する時に使う

①特定の問題とは

・現実に起こっている事であること

・抽象的な表現ではなく、具体的に起こっていることが説明できる

・時刻と場所が特定できる事

・例えば、

  特定の場所でのケガの発生、

  特定工程での品質不良、

  特定工程での作業の遅れ、

  特定設備の故障、

  特定の場所の在庫

  など

②特定でない問題とは

抽象的な問題指摘の状態であり、いつ、どこで、どんな事が、どのように起こっているか等の

具体的な説明になっていない問題の指摘

・ケガが多い

・品質不良が多い

・作業遅れが多い

・設備のチョコ停が多い

・在庫が多い

 など

2、問題と課題の思考法の違い

①問題と課題の定義

問題とは、特定の問題の事を言います。具体的な個別事象を説明するものです。

課題とは、一般的な表現で、これまでの経験から例えば直感的に良くないと感じていることを言います。

例えば、これから何らかの手を打たなければいけないと考えていることで、その対象を特定の問題として列挙すると

複数のことが対象となる生産工程の根本にある問題などを扱う時に使う言葉と定義します。

また、過去からずっと対策をしたくとも、良案が見つからず、対策したが効果が出なかった難しい問題として残っている事も課題と呼びます。

②問題と課題を区別する理由

・問題を解決する思考方法と課題を解決する思考方法が全く異なるからです。

・課題としての対象を問題解決のなぜなぜ思考法では、その原因追及から解決策の列挙まで膨大な作業になってしまいます。

・課題解決の思考法は抽象的な言葉を用いて論理性を重視した思考を全体最適に解決していくものです。

・問題解決の思考法は、一般的に改善活動で用いる思考法です。そこでは、ある工程のある時刻など目に見える事として

 認識した事を対象とし、その特定の問題をスピーディに必ず対策する事を優先度として重要度、拡大傾向などを考慮して

 重点思考して進める方法です。要因の絞り込みを行うことで対策をより具体化し、効果確認ができる状態にします。

③問題と課題を間違えると無駄ばかり

多くの企業では、問題と課題と言う言葉を区別なく用いています。

そのような状態は、その解決法の違いも理解されていないことになっています。

問題や課題を解決する場合にはチームを組んで行なわれます。その時に、メンバー全員が、この違いを理解していなければ、課題なのに突然、なぜなぜが浅いとか、問題なのに、抽象的な議論になったりします。

リーダはこの点をしっかり見定めて議論が正しい思考で行われているかを修正することが求められます。

何ヶ月もかけ議論を重ねているが、一向に結論に至らず、議論が発散して、難しいテーマで投げ出してしまうことになりかねません。

こんなこと良く起こっていますよね。

 

最後まで購読いただきましてありがとうございます。

次週は改善が上手く進まない理由お話しします。

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